夢は主にレム睡眠中に起こる脳の活動である。 睡眠中、脳は約90分周期でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しており、鮮明で物語性のある夢の多くはレム(急速眼球運動)睡眠の段階で生じる。
夢を見ているとき、脳は起きているときに近いほど活発に動いている。 fMRI や脳波計測の研究により、レム睡眠中は感情を司る扁桃体や視覚野が強く活性化する一方、論理的思考を担う前頭前野の活動は低下していることがわかっている。これが「夢の中では非論理的な展開を不思議に思わない」理由とされる。
記憶の整理・定着に関わっていると考えられている。 日中に経験した出来事や学習した情報を、睡眠中に脳が再処理・統合しているという「記憶固定仮説」が有力で、夢はその副産物として現れるという見方がある。
感情の調整機能を持つ可能性がある。 神経科学者マシュー・ウォーカーらの研究では、レム睡眠中に感情的な記憶が再処理され、ネガティブな感情の「毒抜き」が行われていると提唱されている。
夢の内容は完全なランダムではない。 「連続性仮説」によれば、夢の内容は日常の関心事・感情・体験と連続しており、その日のストレスや未解決の問題が反映されやすいことが統計的に示されている。
ノンレム睡眠でも夢を見ることがある。 レム睡眠ほど鮮明ではないが、ノンレム睡眠中にも思考的・断片的な夢体験が報告されており、「夢=レム睡眠だけ」という従来の図式は修正されつつある。
なぜ夢を見るのか、完全には解明されていない。 記憶の整理、感情処理、脅威シミュレーション(危険への予行演習)、脳の神経回路のメンテナンスなど複数の仮説があるが、決定的な単一の答えはまだ出ていない。