1912年4月15日未明、当時「絶対にしずまない不沈艦」と謳われた豪華客船タイタニック号が、北大西洋の冷たい海に消えました。1,500人以上の犠牲者を出したこの世紀の悲劇の裏には、航海が始まる前から、不吉な夢によってその運命を察知していた人々がいたことをご存じでしょうか。
実は、タイタニック号の悲劇ほど、世界中で多くの「予知夢」や胸騒ぎの証言が残されている事件は他にありません。
氷山と、暗黒の海に消える光
最も有名な予知夢の一つが、イギリスの著名な実業家であり、サイキック研究にも関心の高かったJ・コナー・ミドルトンの事例です。
彼はタイタニック号の処女航海(ロンドンからニューヨーク行)のチケットを予約していました。しかし、乗船の約10日前、彼は奇妙な夢を視ます。
「巨大な船が海に浮かんでおり、その周りを無数の人々が漂い、溺れている。そして船はゆっくりと闇の中に沈んでいく」
翌夜も同じ夢を視た彼は、強い不安に襲われましたが、ビジネスの予定もあったためキャンセルを躊躇していました。しかしその後、船の出港が数日間延期されたことで「やはり行くべきではない」と確信し、最終的に乗船を取りやめました。結果として、彼は九死に一生を得ることになったのです。
少女が視た「落ちていく巨大な船」
また、イギリスに住む当時まだ幼かった少女の夢も記録に残されています。彼女はタイタニック号のことなど何も知らないはずの年齢でしたが、事故の数日前から「巨大な船が海に沈み、たくさんの人が泣き叫んでいる夢」を繰り返し視て、夜中に泣き叫んで目を覚ましたといいます。
さらに、乗船していた乗客の中にも、出港後に「船が氷山にぶつかって沈む夢」を視て、親しい友人に「この船は目的地に着けないかもしれない」と漏らしていた記録が残されています。
集合的無意識のSOSか、偶然の符合か
一説には、タイタニック号に関する予知や不吉な予感を抱き、直前で乗船をキャンセルした人は50人以上にのぼるとも言われています。
これらは単なる旅前の不安が見せた悪夢なのでしょうか。それとも、人類の「集合的無意識」が、これから起こる巨大な惨劇を事前に察知し、夢という形でSOSを発信していたのでしょうか。
科学では証明できない「未来を視る力」が、確かにあの豪華客船の周囲には渦巻いていたのかもしれません。